ごきげんよう。凩です。

ブックレビューを書くのは久々ですね。
本の整理をしていて、いくつか再読してはこうやってまた挙げていこうと思います。

今回はイースト・プレス社の漫画シリーズ。
ユゴーの大作を漫画化したものです。

新潮文庫だと五巻という長編です。
「グレイテスト・ショーマン」でも名演技をこなしたヒュー・ジャックマン氏がそれ以前にも世界的なヒットをわき起こした「レ・ミゼラブル」という映画も有名ですね。10分に一回泣ける名映画ですが、公開は2012年、ああ、昔懐かし!
監督のトム・フーパー氏はイギリス出身です。なにかとライバル視し合う英仏ですが、そのフランスの名作をイギリスの監督が大成するというのも個人的には胸熱でした。

今回は漫画ということで、その長編をさくっと理解するには便利なので紹介します。

漫画版は2012年の映画と比べると、コゼットと出会うまでの部分が長めになっていますが、ジャンバルジャンの生い立ちなどがよくわかります。映画はミュージカルなのでアクションが多くなりますね。

レ・ミゼラブルは舞台は革命時代のフランスです。

近世のフランスといえば、絶対王政のもと身分制度が当たり前の時代でした。
そこには職業選択の自由も平民の発言権もありません。
ただ重税を課されていきます。

物語の表舞台は、それに対する革命を起こそうとする若者たちによって派手に動いていきます。

裏ストーリー(物語的にはこちらが表ストーリー)では、かつて囚人であったジャンバルジャンが自由を得て市長となり、正体がばれて再び「不自由」と戦うなかで、愛をさけぶ若者のために体を張ります。

一方で、彼を追う勤勉なジャベール警部も、法に忠実に従い自由を知らずに生きてきました。

そのそれぞれが、互いに影響し合いされ合いながら、最後に愛と自由を見出すのです。

漫画版で市長と警部が互いに放つ「君は自由だ」という言葉は、互いの人生に対する敬意の表れであり、この時代の、この物語の大きなテーマでもありますね。

漫画が良かったら、ぜひ映画も観てください(どちらが最初でも構いませんが)。
映画はじっくり観てほしいですね。最初から最後まで。
私は神父さんが大好きです。