ごきげんよう。凩です。
宮部みゆきさんの作品。
私が中学生くらいの頃に中日新聞に連載されていた小説が、文庫化されたものですね。
カバーイラストは当時の挿絵担当と同じく杉田比呂美さん。
目が点のかわいらしい絵です。原田いずみの父親がうなだれている場面の挿絵は今でも覚えています。
相変わらず、さすが宮部先生、といったところです。
以前も書きましたが、若い女性キャラの表現がとても魅力的。
飛び切りの美人に描いているわけでもないのに、ここまで魅力的にみずみずしく表現できるとは!
若いって素晴しい!笑
…と、どうしても女性の表現にばかり関心がいってしまいますが、
一人称視点の文体で会話も多く、
モノローグはくどくなく、むしろ少ない文字数で核心だけを描写するという、
無駄の一切ない文章力には唯々敬服です。
宮部さんは社会派作家という評判があるようですが、
本作品については、「家」の周辺問題について描いています。
主人公が冒頭で取材しているときの内容も家に関すること。
これは最後まで関連していきます。読み過ごせないっすわ。
また、事件後のどうしようもない後遺症も、家に関連させて人間の本質をついている気がします。
続編があるようですが、どんな風に展開するのでしょうか。気になります。
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