凩です。

津野田興一先生の世界史の講義調の入試解説書。

入試解説書と書くといろいろ語弊がありそうです。参考書ではありません。

むしろ教養書の類でしょうか。

内容としては、近世以降の国民国家形成に関わる難関大学世界史の問題の解説です。

私は塾講師でも大学の入試関係の者でもない、ただの歴史好きですので、

その前提でレビューいたします。

(先生の模範解答も、大学側が解答を提示しない関係で、

満点の答えとは必ずしも言い切れないですし、

私も大学受験生ではないので問題を解いて一喜一憂するような読み方はしませんでした)

本書で示しているのは、現代世界の成り立ちです。

国民意識や国家の概念は人類史のはじめからあったわけではありません。

「国民」も「国家」も、人間が文明の発展とともにつくり出したものにすぎません。

では、いつからこれらの概念が生まれたのか?

本書ではそれに対する解答を示していると私は思います。

さすが、現役の高校世界史の先生。

通史的な歴史の形をよく理解していらっしゃると感銘を受けます。

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