凩です。
私の読書ブログでも紹介させていただきました、内藤誼人先生の著作『人は「暗示」で9割動く』
について、ここでは私の見解を混ぜて考察してみたいと思います。
暗示で動かすことの心理的な理屈は、「相手をその気にさせる」ということです。
もちろん、自分自身のメンタルトレーニングに関しても、
自分のことを、最終的には何かの目標を達成するために「その気にさせる」ということ。
ここで問題になるのは「無力感」です。
無力感は厄介です。
なぜなら、それは他者の暗示的メッセージ、あるいは自己暗示によって
一気に自分を見失わせるからです。
失恋した、試験に落ちた、仕事で失敗した…
生きていれば、様々に失敗し、喪失感、焦燥感に襲われます。
そのときの対処法として、本書では負け惜しみを推奨しています。
いわゆる「すっぱいブドウの論理」です。
すっぱいブドウとは、イソップ物語に登場する狐が、高くて取れないブドウのことを
あれはすっぱくてどうせおいしくないんだ、だから取れなくてもいいんだ、と合理化するあれです。
高校の現代社会とか保健の授業で習いましたね。
「防衛機制」の一つです。
あれは(私もそう思ってましたが)、良くない心の動き、という理解がされがちですが、
「良くない」というより「良くある」話、という理解の方がいいでしょう。
だって、防衛機制は自分の心を守るためのものですから。
合理化だって補償だって取り入れだって、
事実をそのまま受け入れていたらそれは相当な無力感です。
「ブドウが取れなかった、目標達成できない自分はダメな奴だ」
「恋人と別れた。寂しすぎてたまらない。もう何もやる気が出ない。生きる気力が湧いてこない」
「憧れ(目標)の人がいるが、どうしても彼に追いつけない。彼と比べると自分はダメ人間だ。」
ほら悲惨。
だから防衛行動をとるのです。よくあること。
私だって失敗してストレスを感じると、「そんな日もあるさ」と思うものです。
これはある意味「逃避」ですね。
でも、別にいいんです。
それでまた明日頑張ることができるなら。
私の持論として、
人生は「はずみ」である、というものがあります。
すべて自分の努力で自分の人生ができているのではない。
生まれや周りの人々、通った学校や職場によって人生はある程度方向づけられます。
地球上に異性は35億いますが、
35億人の異性すべてを吟味することはできるでしょうか。
その中で選んだ自分の伴侶が35億の中で本当にベストであると保証できるでしょうか。
運の要素はある程度あると思います。
だから、あまり深く考えすぎない。
大事なことは、それでも立ち上がることではないでしょうか。

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