凩です。
読書ブログでも紹介した本書を、ここではもう少し詳しく、
心理学的にアプローチしてみます。
主な編著者は、田口真二・平伸二・池田稔・桐生正幸の4氏。
警察関係者、心理学教授、医学博士など、その道のプロの方々による性犯罪研究書です。
テーマとして研究が難しく、そのくせ人間の、生物の根幹にも関連する問題である「性」。
まだまだ知らないことが多いですね。
読書ブログでも紹介した通り、本書は性犯罪を網羅的に扱った概論書です。
概論なので、いろいろなテーマが扱われています。
その中で、特に興味を持ったのが
・女性の「性的モノ化」
・児童ポルノ
です。
前者については読書ブログで紹介したので、今回は児童ポルノについて深めてみます。
「児童ポルノは、その被写体となる被害児童の虐待であることを認識しなければならない」
というのは、まず大原則です。
いわゆる性的搾取(性的なこと・ものを利用して利益を得る犯罪行為)以前に、
被害者のこれからの人生に多大な悪影響を及ぼすという点で、重大です。
ローレンツの言葉も紹介されていますが、
ベビーフェイスを見ると本来は攻撃行動が収まり、それを慈しむ行動が見られるものだそうです。
それが、児童ポルノを見る者にとっては性的搾取の対象となる。
児童ポルノに「類似する」成人コミックの一部の性的描写も、
「非情な見方」をすれば危険、ということになります。
(「非情」とは、表現の自由の主張も加味した表現です)
小児性愛は外国では病気扱いだそうです。
性犯罪自体に対する処遇も日本より重い(GPS監視や、去勢、住民への公表)。
日本人は「ロリコン」が多いというのは有名だそうですが、
(「小さいもの」を愛する民族であるのは事実でしょう)
ある程度の矯正、または社会的な逸脱行為に走らないような自制の力が必要です。

性犯罪の行動科学 発生と再発の抑止に向けた学際的アプローチ [ 田口真二 ]

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