凩です。
読書ブログでは表面的な紹介にとどめましたが、ここでは少し中身を掘り下げて書きます。
とはいっても私は心理学の専門家ではないので(せいぜい心理学部1年生レベル)、
意味を取り違えている場合、コメント欄などでご指摘いただけると幸いです。
まず、エゴグラムとは、人間の性格(正確には行動傾向)を5つの観点からみたグラフです。
本書では医師やグループセラピーメンバーの目分量でグラフを書いていますが、
ネット上には無料のエゴグラム診断テストがあるので興味のある方は見てみるといいかもしれません。
心理テストっぽくて楽しいですよ。
本書はエゴグラムの概論というより、エゴグラムを使った治療のあり方を書いています。
例えば、FC(自由な子ども)が高すぎる人に対して、FCを下げろと言ってもうまくいきません。
それは、その人の行動を制限することになり、うまく行動できなくなるからです。
だから、やりかたとしては、AC(順応した子ども)か、CP(批判的親)を上げる、
または、A(大人=理性)を上げてもいいかもしれません。
それで行動を調整すると、なんと、FCが結果として下がり、バランスが取れるそうです。
ただこれは本来の自分を改変することになるので、そこに必要性と理屈をつけなければ納得がいきません。
そこで、本書ではエンプティ・チェアを使って対話をさせるのです。
例えば、他人に迷惑をかける人がいるとします。
この人は状況を理解したり、自分の行動について振り返ることがうまくできていない。
だから、意地悪な彼自身と、彼自身のA(大人=理性)の側面で対話をさせるのです。
治療はグループで行うので、これは他のメンバーにもわかるように口に出しての対話です。
これを言語化といいます。
ある意味、これは自分を客観的に見る訓練なのです。
エゴグラムは、そのための「人格」(行動傾向)を5種類明示することで
心理学の専門家でなくても、自己分析ができるのです。

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